大学院

保健医療学研究科 修士課程

3つのポリシー

アドミッションポリシー

  1. 人間に対する深い関心を持ち、生命の尊厳を重視し、個を敬愛できる人
  2. 幅広くより高度に学ぶために、人文・社会・自然科学などの必要な基礎学力を有している人
  3. 保健・医療の専門的臨床実践者として必要な学問、技術の修得に意欲的な人
  4. 地域社会とその保健・医療に関わる課題への科学的探究と解明や、地域貢献に寄与していく意欲のある人
  5. 責任感と倫理観を備え、創造性や社会性を兼ね備えた人
  6. 協調性があり、高いコミュニケーション能力を備え、多職種連携に意欲を持つ人
  7. 保健医療分野の指導的役割を担う意欲のある人

カリキュラムポリシー

共通科目

「共通科目(15 科目)」は、保健医療学の総括的なコンセプトの修得、多職種との連携能力、並びに自己の専門性の上に保健医療学分野で活躍するために必要な高い倫理性と豊かな人間性を身に付け、バランスの取れた高度専門職業人や研究者となるべき「社会性の涵養」に役立てる科目及び、保健医療に関する幅広い知識・技術の修得に基盤となる科目を配置する。

専門領域科目

健康増進・予防領域・心身機能回復領域及び助産学分野のそれぞれにおいて、専門性を深めて、保健医療学における高度専門職業人を育成するために、3研究領域に固有の「専門科目(55 科目)」を配置する。

この専門科目では、相互の関連を常に意識した横断的な科目群の設定になっているため、個々の学生が選択した研究主領域の単位取得の他に領域を超えて、関連した科目の単位を取得することも可能とし、理論面の構築と高度の専門知識・技術を修得して、専門分野における優れた実践能力を身に付け、地域の人々の健康全般に関わり、疾病予防、健康維持・増進から疾病の回復、支援に至るまで、保健医療福祉の活動について幅広い領域の知識取得を可能としている。

健康増進・予防領域

高度専門職業人として、「健康増進・予防領域」における高度な専門性を深化させるとともに、学際的・多角的な視野を広げる。演習科目では、在宅・公衆衛生学、女性保健学、生活支援医療学、精神保健医療学の分野における先行研究やフィールドワークで課題を検討し、科学的、論理的思考かつ実践力を培い、研究方法については演習を通して探究する。

  • Ⅰ.健康増進・予防領域を学ぶ上で必要となる健康衛生の動向やマクロ的なものの見方を学ぶ科目を置く。
  • Ⅱ.健康増進・予防領域に関わる理論面の構築と高度な専門知識・技術を修得する科目を置く。
  • Ⅲ.多職種連携、チーム医療活動における健康増進・予防領域の課題や考察能力を修得し、地域社会に貢献する能力を修得する科目を置く。
心身機能回復領域

高度専門職業人として、「心身機能回復領域」における高度な専門性を深化させるとともに、学際的・多角的な視野を広げる。演習科目では、運動・動作制御学、呼吸循環機能学、運動機能回復学、脳機能回復学の分野における先行研究やフィールドワークで課題を検討し、科学的、論理的思考かつ実践力を培い、研究方法については演習を通して探究する。

  • Ⅰ.心身機能回復領域を学ぶ上で必要となる医療技術の動向やマクロ的なものの見方を学ぶ科目を置く。
  • Ⅱ.心身機能回復領域に関わる理論面の構築と高度な専門知識・技術を修得する科目を置く。
  • Ⅲ.多職種連携、チーム医療活動における心身機能回復領域の課題や考察能力を修得し、地域社会に貢献する科目を置く。
助産学領域

助産学領域における高度な専門性を深化できるために、エビデンスに基づく学習課題から学際的な視野を広げた研究課題の洗練を通して課題思考力を養う。また演習・実習科目では、先行研究やフィールドワークで討論しながら経験知を洗練して、助産師が持つべき高度な助産実践力(専門知識・技術・態度)を培う。研究の遂行力は助産学の履修と並行し演習や専門学術集会の発表・参加を通して探究する。

  • Ⅰ.助産学の本質を洞察できる思考力を養うとともに、自身に期待される研究成果と助産実践および教育への還元と連関性を常に批判的に吟味できる科目を置く。
  • Ⅱ.助産学の基盤的・先端的な専門知識と技能、課題解決能力と周産期チーム医療を修得でき、独創的な助産学研究を完遂できる能力を養う科目を置く。
  • Ⅲ.助産学分野において高度専門的な助産師アイデンティティを獲得できる創造的学びと研究を適格に位置づけ、その成果と意義から国際交流できる能力を修得する。
  • Ⅳ.助産学の一部分に陥ることなく、国際的・文化的に多様な視野から他領域の横断的な学修ができるカリキュラムを実施し、常に社会のニーズに感知して“望ましい助産師のあり方”を目指す素地を形成する。

特別研究科目

"特別研究科目(3科目)は、修士論文に必要となる科目を配置する。選択した主となる研究領域科目にかかる研究成果を、修士論文として提出する。修士論文は、関連する3名の教員によって、年度末に開催される修士論文審査会の審査を受け、合格者に修士号を与える。

また、「特別研究科目」では、「共通科目」及び「専門科目」で修得した知識をもとに新しい知識を創造する応用力、課題を探求する能力、課題に対して計画的に研究を推進する能力、さらに、地域包括ケアシステムに適応できる能力を修得する。また、発表や討論を通して、専門的な文献の読解力や、柔軟で論理的な思考力及びコミュニケーション能力を修得する。

健康増進・予防領域

健康増進・予防領域における保健衛生の課題を見出し、修士論文の研究指導を受けて、高度専門職業人としての実践能力の向上に貢献する保健医療学基礎研究・応用研究の基盤の修得を目指す。

心身機能回復領域

心身機能回復領域における医療技術の課題を見出し、修士論文の研究指導を受けて、高度専門職業人としての実践能力の向上に貢献する保健医療学基礎研究・応用研究の基盤の修得を目指す。

助産学領域

助産学領域における助産学の課題を見出し、修士論文の研究指導を受けて、高度専門職業人としての実践能力の向上に貢献する助産学基礎研究・応用研究の基盤の修得を目指す。

ディプロマポリシー

本研究科を修了する学生は、次に掲げる資質能力を身につけるものとする。

共通科目および専門科目 (各領域共通)

①(専門知識・能力・研究分野以外の人間や社会の多様性への理解)

学際的・多角的な視野に立ち、人文・社会・自然科学など幅広い学問の素養を基に、生命の尊厳を重視し、「保健医療学」に通暁し、高度専門職業人、研究者として社会的に貢献できる能力を有している。

②(実践力・教育活用力)

保健医療学分野において研究ならびに教育的視点を有する専門職として、地域連携できる現場での臨床実践者、あるいは保健医療関連の教育に携わる能力を有している。

③(研究課題の発見、考察、設定、研究方法の構築)

多様なニーズに基づき、各専攻領域に関わる諸問題・課題を独自に見いだして考察の上、自らの研究・課題を計画的に進め、諸課題を科学的に改善・解決する論理的思考、分析評価能力、及び論理的態度を備えている。

④(管理・指導力)

保健医療学の実践に携わる多彩な職種の中で高度専門職業人として協働し、患者の状況に的確に対応した医療を提供できる能力に加え、中心的役割を担える管理・指導能力を有している。

⑤(コミュニケーション・表現力)

研究者に求められる論理的なプレゼンテーション・コミュニケーション能力に加え、学術文献を活用して専門知識等を修得・理解することができ、論文作成・文章表現能力を有する。

⑥(社会的な責任と倫理観)

高度専門職業人に求められる豊かな教養と臨床に根ざした社会的な責任と倫理観を有している。

特別研究科目 (各領域共通)

共通科目及び専門科目で修得した知識をもとに新しい知識を創造する応用力、課題を探究する能力、課題に対して計画的に研究を推進する能力、さらに、地域包括ケアに適応できる能力を修得する。更に、発表や討論を通して、専門的な文献の読解力や、柔軟で論理的な思考力及びコミュニケーション能力を修得する。

各領域で養成する能力

①「健康増進・予防領域」

保健医療福祉の制度に精通し、地域において多職種と連携協働しながら健康社会を支え、障害の予防や改善、生活の再構築、そして地域社会における自立生活の安定化、QOL(生活の質)維持・向上を実践し、有効性を高める実務に則した研究を行い、高度専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培う。

②「心身機能回復領域」

精神・身体機能を総合的に評価し、これらの障害の課題を解決可能とする研究能力を獲得し、障害克服の実践的な支援を修め、高度専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培う。

③「助産学領域」

周産期医療の高度化および多様なニーズに対して、研究的な課題解決能力と高度専門的な状況判断と助産ケアを修得できること、同時に出産施設と地域を連結して継続支援できる高度専門職業人(助産師)の基礎を修得する能力を培う。