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薬学部

教員紹介

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生体内の化学反応は驚異的なほど高度に制御されていますが、完璧ではありません。特に、長寿命のタンパク質中では、好ましくない非酵素反応が徐々に進行し、構造、延いては機能に影響しています。このような反応は、老化や加齢性疾患の一因であると考えられます。では、老化の個人差や、加齢性疾患の発症の有無は、どうして生じるのでしょうか。その理由を解明するべく、生体内に存在する酵素以外の物質による触媒作用を、コンピュータを用いる計算化学の手法を用いて研究しています。実験的研究が難しい反応でも、計算化学によりメカニズムを研究することができます。好ましくない非酵素反応は、医薬品分子のなかでも起こります。非酵素反応の詳細を明らかにすることを通して、健康長寿や、効果的な医薬品開発に資することを目指しています。

氏名 高橋 央宜
フリガナ(ローマ字) タカハシ オウギ(Ohgi Takahashi)
職名 教授
学位 博士(理学)
担当授業科目 物理系基礎科学、物理化学Ⅰ、物理化学Ⅱ、物理化学Ⅲ、物理化学実習、物理学(保健医療学部)
専門分野 物理化学、計算化学
現在の研究テーマ 生体・医薬品関連分子における非酵素反応のメカニズム
研究内容キーワード 量子化学計算、非酵素反応、反応機構
ティーチング・
ポートフォリオ
主な著書・学術論文 学術論文
Ryota Kirikoshi, Noriyoshi Manabe, Ohgi Takahashi: Phosphate-Catalyzed Succinimide Formation from an NGR-Containing Cyclic Peptide: A Novel Mechanism for Deammoniation of the Tetrahedral Intermediate, Molecules 23, 2217 (2018)
Ryota Kirikoshi, Noriyoshi Manabe, Ohgi Takahashi: Phosphate-Catalyzed Succinimide Formation from Asp Residues: A Computational Study of the Mechanism, International Journal of Molecular Sciences 19, 637 (2018)
Ohgi Takahashi, Ryota Kirikoshi, Noriyoshi Manabe: Racemization of Serine Residues Catalyzed by Dihydrogen Phosphate Ion: A Computational Study, Catalysts 7, 363 (2017)
Ryota Kirikoshi, Noriyoshi Manabe, Ohgi Takahashi: Succinimide Formation from an NGR-Containing Cyclic Peptide: Computational Evidence for Catalytic Roles of Phosphate Buffer and the Arginine Side Chain, International Journal of Molecular Sciences 18, 429 (2017)
Ohgi Takahashi, Ryota Kirikoshi, Noriyoshi Manabe: Racemization of the Succinimide Intermediate Formed in Proteins and Peptides: A Computational Study of the Mechanism Catalyzed by Dihydrogen Phosphate Ion, International Journal of Molecular Sciences 17, 1698 (2016)