地域で“自分らしく暮らす”を多職種で支える
療養の場が病院から地域にシフトされ、慢性疾患や認知症を抱える高齢者、様々な疾患を持っている医療依存度の高い方、障がいや老々介護で在宅での生活に困り事を抱える方など、在宅支援が必要な方が増加しています。このように複合的なニーズを持つ方々が、地域で必要なケアを受けるためには、看護、福祉、保健領域が協働し組織を超えて多職種・多機関の連携調整が不可欠であり、ケアを統合する看護職に大きな期待がかかっています。そこで私は、A町の地域包括支援センター職員と協働しながら、地域で働く看護職や介護職の方々のさまざまな活動をサポートし、住民の皆様が人生会議に関心が持てるようにするための研究活動を行っています。
2019年度の活動の一部をご紹介します。A町民が集まる場所で開催した「人生の最終段階は自分で決める」をテーマにした対話会では、町民の皆様がA町で暮らし続けたいという想いが強く伝わってきました。そして、この想いを受けA町で働く看護職、介護職、福祉職、行政職員、医師とともに、「町民の人生の最終段階を支える」をテーマにグループワークを開催しました。その中から、専門職としてお互いの機能を理解することや、町民の意思決定を支え、想いに応える力を持つことなど多くの課題が挙がりました。今後も、この課題を解決すべく、地域全体で分野や領域を問わず包括的に支援を行えるよう、活動を進めていこうと考えています。
看護学科 塩田 美佐代