教育と臨床との連携を実践できる喜び
教員になるまでの二十数年間、現場の作業療法士として特に整形外科的な病気やケガをお持ちの方々に対するリハビリテーション診療に従事してきました。大学教員としてもこれに関することを現在の研究テーマとし、またこれに関連した講座を主に担当しています。
研究や講義、その他の大学での業務の合間をぬって、少ない頻度ながら関連施設に出向き臨床業務に携わる時間を持っています。卒業生達やゼミで顔を合わせる大学院生らと共に肩を並べ診療を実践できることに大きな喜びを感じている今日この頃です。医療に従事する者にとって臨床・教育・研究のすべてに関わりを持つことは必須のミッションであるとされていますが、実際には作業療法士を養成する大学の多くで教員はこのような経験を持つことはできていません。付属病院や関連病院を持たない大学が多数を占めるからです。自身の技術的研鑽を重ねる機会を頂けていること、教室の中での講義ではどうしても伝えることができなかたことを実際の診療を通して教え子達に伝えられることの幸せを実感しています。この恵まれた環境を生かし、これまでの経験で得た臨床家としてのノウハウと研究者として得た成果を積極的に還元してゆくことで臨床の現場に微力ながらも貢献してゆきたいと思っています。
作業療法学専攻 光金 正官