三上幹男教授らの卵巣がん早期発見に関する研究論文が『Journal of Translational Medicine』に掲載されました
湘南医療大学・茅ヶ崎中央病院の三上幹男教授らの研究グループによる、卵巣がんの早期発見を目指した研究論文が、国際医学誌『Journal of Translational Medicine』に掲載されました。
論文タイトルは、「Enhancing the positive predictive value of early-stage ovarian cancer detection using a two-step machine learning framework」(2段階機械学習モデルによる早期卵巣がん検出の陽性的中率の向上)です。
卵巣がんは、早期には自覚症状が乏しく、進行してから発見されることが多いため、簡便で精度の高い早期発見法の開発が重要な課題となっています。
本研究では、血液中のCA125、HE4、CA72-4といった腫瘍マーカーに加え、血清中の糖タンパク質に由来する多数の「糖ペプチド」を質量分析装置で網羅的に測定し、AI(人工知能)によって解析しました。
さらに、最初に腫瘍マーカーと年齢を用いて低・中・高リスク群に分類し、判断が難しい中リスク群を糖ペプチド情報を含むAIで再評価する「2段階機械学習モデル」を構築しました。
卵巣がん患者553例と、健常者および良性疾患患者1,144例のデータを解析した結果、LightGBMと呼ばれる機械学習手法を用いたモデルでは、一般集団における卵巣がんの罹患率を考慮した陽性的中率が18.7%、陰性的中率が99.99%と推定されました。また、特異度99.5%に設定した場合の感度は65%でした。
本研究成果は、血液中の糖ペプチド解析、腫瘍マーカー、質量分析およびAIを組み合わせることにより、卵巣がん早期発見の精度を高められる可能性を示したものです。今後は、臨床での実用化に向けて、独立した集団を対象とする前向きな外部検証を進める必要があります。
本研究は、湘南医療大学、茅ヶ崎中央病院、東海大学、慶應義塾大学、NEC、NECソリューションイノベータ株式会社、国内外の医療・研究機関との共同研究として実施されました。
本学では今後も、国内外の研究機関や企業との連携を通じて、卵巣がんをはじめとするがんの早期発見技術の開発と社会実装に取り組んでまいります。
論文情報
Mikami M, Tanabe K, Nagaki S, et al.
Enhancing the positive predictive value of early-stage ovarian cancer detection using a two-step machine learning framework.
Journal of Translational Medicine. 2026.